江戸川区のバベルの塔「タワーホール船堀」
タワーホール船堀
「馬鹿と煙は高いところが好き」といった諺があるように。
男という馬鹿な生き物は高い所が好きだ。それが浪漫だからだ。
その天空の先に、何があるのか、好奇心がより高い所を求めてしまう。
旧約聖書に登場するバベルの塔しかり、ピラミッドしかり、古代の人々は高い建造物を作った。
そして、そのDNAは今も我々人類に受け継がれており、TOKYOの到る所にバベルを感じる高い建造物がある。
ある日の事、俺は江戸川競艇で全てを失い絶望の淵にいた。
何も考える事も出来ず、無料バスに乗り込み船堀駅へと向かった。
駅に向かった所で、家に帰れるわけでもない…無一文…俺は何をやっているんだ…
駅に着きバスを降りる…
すると目の前に、天高くそびえ立つ巨大な塔が姿を現した。
これは…いったい…何なんだ…
でかい…
俺はあまりのデカさに驚愕した。
まるで現代に蘇ったバベルの塔のようだ。
そうか…これは江戸川区のバベルの塔なのだろう。
私は吸い込まれるように塔の内部へと入っていった。
美しい…なんという美しい構造なのだ。
そして俺は上を目指した。
好奇心が高い所を、欲してやがる。
そこから一体何が見えるのか…
エレベーターに乗り込み展望室へ。
高度103メートル…高い…いったい何処まで昇る気なんだ。
そして展望室へと到着…
素晴らしい景色だ。
スカイツリーもまるでゴミのようだ。
こうして下界へと高みの見物を決め込んでると…まるで王にでもなった気分だな
船堀の王。
空虚だ…
一銭も金を持ってない事を思い出す。
虚ろ…虚ろだな…
そんな俺は船堀の王では無く虚の王だな。
しかしどこからともなく力が湧いてくる。
これが高い所マジック。
船堀タワーから下界を見下ろす大都会
「見ろ!人がゴミのようだ!!ハッハッハッハッ!!」
ってな具合だな…
俺はエレベーターで下へと降り出口へと向かった。
そういえばここ無料なんだな…神…
さてどうやって家に帰ろうかな…