【昭和遺産】廃墟然とした代々木の九龍城「代々木会館」

生ける廃墟「代々木会館」
九龍城
それは東洋の魔窟とも呼ばれた増築され巨大化した複雑怪奇なスラム建造物…
しばし日本でも似たような雰囲気のビルを〇〇の九龍城と呼ぶ
生ける廃墟…
まるで廃墟のような場所…
廃墟のようで廃墟じゃない…
廃墟じゃないようで半分廃墟…
そんなゾンビ物件が世の中には多数存在する…
先日、仕事で代々木に行った時の事だった…
視界に入りこんで来たパチンコB1と書かれた巨大な看板のある古いビル…
しかしパチンコB1と書かれた先にある通路は食堂…
手前の駐車場へはロープが張られ行けなくなっている…
何だこのビル…
さらに良く見ると奥の方の窓など割れている箇所や、自然と一体化している箇所がある…
一見すると廃墟のようだ…
都心の駅前一等地に…なんだかゾワゾワするビルだな…
食堂の奥を覗く…どう考えてもパンチコ屋には続いて無さそうだ…
パンチンコ屋はもうやっていないのだろうか…
上を見上げる…うなぎ屋やビリヤード看板など色々な店舗の看板が見える…
しかしビルへの入り口が見当たらない…
1階へはさっきの食堂からしか入れないようだ…
このビルの中を覗きたい…
そんな衝動に駆られうろうろとしていると…
あった…2階飲食店街への入口…
丁度腹も減ったし…仕事まで時間もあるし…
俺は、胸を高鳴らせ中へと入った。
扉を潜ろうとした瞬間…書店と書かれた文字が視界に入りこんで来た…
これは…いったい…
書店もあるのか…?
中へと入ると焼肉屋や小料理やなどの看板が出ていた…
これは…期待大だな…懐かしい昭和の老舗でひしめきあっているようだ…
こんな所で、昭和のカルチャーにふれれるとは思わなかったぜ…
美味そうな店が勝手に頭を過る…
よだれを一拭きし階段を上った…
すると…
2Fと書かれた扉は閉ざされビルの中へ入れなくなっていた…
しかもドアノブは無い…
いったいこれはどういう事なんだ…
飲食店街は無いのか…
鰻屋は…焼肉は…やきとり…中華は…食べれないのか…
俺は落胆した…
しかしまだ階段は上へと続いている…
一寸の希望を頼りに上へと進んでみる事にした…
すると階段に突如現れた大量の本…
到る所に本が山積みになっている…
これはどういう事だ…
山積みの本の先には、書店が…
あっ……入り口の…そういう事か…
それより上には本が邪魔で行けなくなっている…
なんて不思議なビルなんだ…
店の前で階段の上を眺め呆然としている俺を、怪しそうな目で本屋の店主が観ている…
俺は本屋へとはいった…