「微巣登路(びすとろ) 」と読ませるイカしたセンス/テーブル筐体のあるレトロな喫茶店
北松戸にある喫茶店「微巣登路(びすとろ) 」
ある晴れた日、俺は猛烈に腹が減っていた。
北千住方面へと電車に乗っていたが、北松戸で途中下車をする。
何か食うもの…
駅前のローターリーを見渡す。
漢字4文字の怪しい看板…
び…す…のぼり…ろ??
なんて読むのだろう…気になりビルへの中へ足を進めていく。
外の看板は真新しかったが、ビルへと入ると空気がガラッと変わった。
廃れた雰囲気の通路は、あなぐらのようだ。
年季の入ったサンプルメニュー。
老舗なのだろうか?
漢字のセンスといいバシバシに怪しい雰囲気をはなっている。
漢字の読み方も気になるしな…
今日は、ここで飯を食うか…
俺は意を決し階段を上った。
ボディビルの怪しい文字…
高まる期待感。
木製の扉を開け店内へと入る。
扉の奥は、昭和の時代で時が止まっていた。
珈琲とタバコの匂い。
いい…凄く良い。
食欲が刺激される。
現役のテーブル筐体。
ジュークBOX。
かなりイカしたセンスだ。
俺は壁際の席へと腰を下ろした。
メニューに目を通す。
ナポリタン…ミートソース…ボンゴレ…
ボンゴレだと!!
食べたい…ボンゴレが食べたい…
俺は、ビールとボンゴレを注文する。
まずビールがきた。
モルツの瓶。
いいね。
やっぱ喫茶店は、瓶だな瓶。
ビールを一気に空腹の胃へと流し込み喉の渇きを潤した。
いい。
最高だ。
続いてボンゴレがくる。
これは…俺の知っているボンゴレではないが、明らかに美味そう。
空腹の胃へとボンゴレを勢いよくぶち込む。
うまい…
茹でて一晩寝かせたであろう中太のモチモチ麺。
これぞ喫茶店のスパゲッティといった感じだ。
至福。
最後の一口を口へと放り込む。
ビールで胃に流し込んだら、食後の一服。
喫茶店のタバコと食べ物と珈琲の織り交ざった匂い…昭和を感じるな…
贅沢な時間。
喫茶店て、あなぐらにいる雰囲気と似てると思うのは俺だけなのだろうか…
禁煙ブームか…
昭和の喫茶店カルチャーは、あと何年かしたら無くなってしまうのだろうか…
少し寂しい気持ちが押し寄せてきた。
そして俺は思った。
「結局、微巣登路って何と読むのだろう」と…
俺は、もう1本ビールを頼んだ。