ひっそりと弁財天と逢引している男根の神様/南柏 稲荷神社
南柏 稲荷神社
南柏。
独特の雰囲気のある街。
其処は、罪人や武士の魂がひっそりと眠る街。
しかし、それだけでは無かった…
この街の住人達にも、あまり知られていない男根の神様が存在する。
ある晴れた日。
仕事で南柏を訪れた時の事。
駅前の十字路で信号待ちをしている時、ふと視界に入ってきた広場。
横断歩道を渡り、広場を覗くと脇に神社が見えた。
俺は、その独特な雰囲気に惹かれた。
少し気になり近づみる。
神社の構造上ここまで車が無傷で進入するのは、ほぼ不可能。
しかし車乗入禁止の看板…
その奥に茅葺き屋根の社殿が見える。
茅葺き屋根とは珍しいな…
賽銭をしようと思ったが賽銭箱は無い…
社殿の中を覗く…賽銭箱どころか何も無い…
これはいったい…
好奇心が押し寄せてくる…
社殿の裏へと回ってみた。
小さな祠があった…しかしここも、蛻の殻。
もしや廃社になっているのか…
しかし社殿の前にしっかりと稲荷神社と書かれた看板があった…
廃社では無いようだな…
しかし神様がいない…
これはいったい…
と思った時、看板の奥に弁財天が、有る事に気が付いた。
ここに神様がいるに違いない…
胸の高鳴りを強く感じた。
俺は、仕事そっちのけで弁財天へと向かった。
池はトタンで封印されているが、祠へは不安定な木の板で出来た橋を渡らなければならない…
万が一こんな所で、池に落ちスーツを汚してしまったら…
取引先へ行けない…
頭を過る不安…
「ええぃままよ!」
慎重に橋を渡る…
そして小さなあなぐらを覗く…
あった…
しかも弁財天様に寄り添うように男根の神様までもが…
これは…こんな所で弁財天様と金精様が逢引きしているなんて…
俺は、そっと目を伏せこの場をさった…
見てはいけない物を見てしまった気分だ…
まさか弁財天様と金精様の愛の巣があるとは思わなかったぜ…