谷根千にある愛玉子専門店「愛玉子 」

谷根千にある愛玉子専門店「愛玉子 」

谷根千にある愛玉子専門店

愛玉子

それは黄色い寒天のようなスィーツ…

遠い昔「こち亀」で見た記憶を頼りに探し求めていた…

俺は数年前の事…

仕事で根津から日暮里方面を攻め込んでいた時の事だった…

突如視界に入ってきた愛玉子の看板…

こっこれは…幼少の頃に「こち亀」で見たアレじゃないか…

いったいどんな味がするのだろうと思った20年数年前…

今まさにそいつが、目の前にある…

しかし今の俺には時間がない…が俺はどうしても食いたい…

俺は先方へと連絡を入れた…

愛玉子を食べるので遅れると…そして愛玉子への想いを伝えた…

先方の答えは、今日はもう来なくて良いとの事だった…

俺は店の前で数分立ちすくんだ…やっちまった…

しかしこれで誰も俺の愛玉子を邪魔するものは居なくなった…

急な仕事の休み…うれしいですね…

扉を開け店内へと俺は意気揚々と入った…

生活感のある店内…

客は俺だけ…

20数十年前に、こち亀で見た時すでに年季が入っていた…

時がずっと止まっているかのような景観だ…

落ち着くな…

まるで映画のワンシーンのようだ…

俺は雰囲気に浸りながらメニューに目を通した…

そしてスタンダードな愛玉子を注文した。

そしてついに、そいつが目の前に現れた…

生…愛玉子…恋い焦がれた愛玉子…

震える手をおさえ一すくい…

口へと放り込む…

スパーク…これが…愛玉子…

なんて優しい味なのだ…

うまい…そしてこの黄色…レモンシロップだったのか…

20数年前に食いたかった食べ物を、時がたち始めて食べれる感動…

なんて感慨深いのだろう…

俺は、携帯を取り出しもう一度先方へと電話をかけた…