上野/昭和を感じる豪華絢爛な純喫茶「丘」
上野にあるレトロでゴージャスな純喫茶「丘」
純喫茶…
それは昭和のカルチャー…
混沌とした昭和初期…
元々、お茶を楽しみ、知識人たちの社交場だったカフェや喫茶店は、特殊喫茶店と呼ばれる女給(ホステス)による接客を伴うキャバクラ的システムへと変化をとげていった…
特殊喫茶も、カフェーや喫茶店を名乗っていた為、元々の喫茶店を営なんでいた経営者たちが差別化を図る為に、本来の喫茶店との意味で「純喫茶」となずけた…
しかし時代が流れ、昭和文化の特殊喫茶店は形を変え消えてゆき、通常の純な喫茶店だけが残った…
そんな時代の名残「純喫茶」は日本各地に存在する…
今日も、俺は純喫茶を探し彷徨う…
数年前の事…
仕事で訪れた上野…
午前中から歩きまわり喉がカラカラに渇いていた…
視界に入った1棟のビル…
純…喫茶…お…か…
純…喫茶…とは何だったか…
曖昧な記憶…
しかし…
この言葉が気になった…
俺は、喉の渇きを癒そうとビルへと入った…
表のビルの感じから1階か2階にあるのかと思ったが…
階段は地下へと延びている…
まるで暗い暗いあなぐらへと誘うかのように…
延々と地下へと延びる階段を降りると…
純喫茶丘の入口が姿を現した…
日中だという事を忘れさせる妖艶な雰囲気…
扉を開けて中へと入った瞬間…
俺は…
驚愕した…
ゴージャス…
巨大シャンデリアが眩い光を放っている…
なんて煌びやかな店内なのだろうか…
まるで夜の蝶達が舞っていそうな…
そんな雰囲気…
表の雑踏が嘘のような…
異空間…
ほんとにここ喫茶店なのか…
店内へと進む…
豪華絢爛な店内…
火曜サスペンス…
昭和のテレビ…
走馬灯のように昔の記憶が駆け巡る…
豪華な店内とは裏腹に…
年季の入ったメニュー…
タバコをくゆらせる…
立ち込めるケムリ…
珈琲とタバコの匂い…
プレイバック昭和…
雰囲気にのまれ…
いや…
雰囲気に合わせ…
ミックスジュースを注文した…
フルーツと…
かち割れた氷が混ざり…
キンキンに冷えている…
喉の渇きが潤う…
オアシス…
まぜまぜようミックスジュース…
俺は鼻歌を歌い…
またタバコをくゆらせた…