【松戸】北小金 1日で閉店した謎のラーメン屋「郷の香」…
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1日で閉店した謎のラーメン屋「郷の香」
北小金に…
1日で閉店した謎のラーメン屋があった…
その店の名は…
郷の香…
数カ月間、その道を通ると…
元々居酒屋だった場所を改装していたので…
ずっと気になっていた…
そして…
いよいよオープンの日…
店の前に行くと…
看板が出ていた…
写真は無く…
ここから読みとれる情報は…
文字のみ…
そこからイメージするだけ…
どういったラーメンか判断に迷うが…
冒険心から…
俺は店へと入った…
この時の俺は…
自分が平和ボケしていた事にまだ気づいていない…
食券機の前で押し寄せる高揚感を抑えながら…
思考する…
普通のらーめんとチャーシューメンが50円しか違わない…
おのずとチャーシューメンの食券を買い席へと向かった…
カウンターに食券を置くと…
暖簾越しに手が出てきて食券を回収された…
この時は…
とりわけ異変には気が付いていなかった…
リフォームしたばかりの綺麗な店内…
オープン初日…
店内に客は私だけ…
メニューに餃子などサイドメニューは、なかったが調味料が何故か大量に置かれている…
一瞬感じた戦慄…
これから餃子でも始めるのかと…
思考を切り替える…
しかし…
よく店内を観察すると…
違和感を感じ…
その正体に気が付く…
そう…
厨房が暖簾で隠れていてまったく見えない…
良く考えれば…
店員の顔を俺はまだ見ていない事に気が付く…
これは…
客に期待を持たせる演出なのだろうか…
盗まれたくないレシピ…
そうに違いないと思おうとするが…
不安を隠せない俺がいた…
もしかして…
これ…
やっちまったか…
気を落ち着けるため…
お冷を一杯飲んだ…
そして…
不安を払拭させるため…
豚骨、味噌、魚介、家系、いったいどんなラーメンが出て来るのか期待に胸を膨らませる事にした…
待つ事5分…
ついに麺が暖簾越しにカウンターの上に提供された…
その麺は驚愕の物だった…
斬新すぎる…
初めての出会い…
何系?など系統にこだわっていた自分の概念を完全に打ち砕かれた…
予想の遥か斜め上のビジュアル…
絶対美味い訳がないと…この瞬間思った…
そして一口麺に手をつける…
不安は確信へと変わった…
味が…
味がしない…
あっさりという概念を通り越し…
無色透明…
止まりそうになる箸…
気合でチャーシューを食べた…
味がする…
味がする事に感激を覚えた…
ラーメンに味がしなかった分うまくすら感じた…
こんな緩急のつけ方は初めてだ…
そしてブロッコリー…
ブロッコリーがまるごと入っている…
斬新すぎる…
良く見るとコーン、ニンジン、グリンピース、色味づけにパプリカ…
ホワイトシチューかと思った…
普段、飯を残す事にインモラルを感じ…
飯は絶対に残さないと決めて生きてきた…
が…
無理だ…
箸が止まった…
そして何も言わず店を出た…
店内からも声は何も聞こえない…
俺は…
平和ボケしていた…
新店のラーメン屋…
このご時世…
ある程度自信を持って店を始める物だと勘違いしていた…
必ずしもプロが始めるとは限らない…
なんの情報も無い所に飛び込む危険性…
改めて感じた…
しかしながら…
なんの情報も無い所に飛び込まなくては…
こういった経験は中々出来ない…
逆を言えばラッキーなのだろう…
しかし心の中では…
数年前…
20代の日本人美女を指名した筈なのに…
50代後半のハゲたフィリピン人女性が出てきた激安店…
トラウマがフラッシュバックしていた…
この店いつまでもつのだろう…
そう感じながら次の日…
店の前を通ると…
入口の扉に…
チラシが刺さった状態で閉まっていた…
早速休業…
しかし、その3日後に、また店の前を通ると…
前に見たチラシが、扉に刺さったまま店はやってない…
もしかしたら、開店した次の日からずっと休業しているのか?
そして1カ月…2か月と時は経っていったが…
この後…郷の香が店を開ける事は無かった…
オープンした次の日には閉店…
あれだけの設備投資をし…
メニュー表を作り…
始めたラーメン屋…
謎だ…謎すぎる…
そして1年…
時が経った今…
店はベトナム料理屋へと変貌した…
もしかしたらここのラーメンを食べたのは俺だけなのかもしれない…
初日に見たバイト募集のチラシは何だったのか…
究極のラーメンを求め店主が修行に行ってしまったのかもしれない…
赤と青と黄色の看板…
これが答えなのだろうか…