80年前にタイムスリップ!旧銀座アパートメントこと奥野ビル
銀座にある奥野ビル
先日、銀座の街を徘徊していた時の事…
突如、時空が歪みだした。
近代的なビルとビルの合間に、あまりにも不自然なビルが姿を現す…
何だあのビル…
恐る恐る近づいて見る…
明らかに、このビルだけ戦前の頃から時が止まっている…。
どういう事だこれは…
ビルを見上げながら俺は思った。
「銀座の一等地だぞ…夢でも見ているのか…」と
押し寄せてくる好奇心…このままこのビルをスルー出来ない…
俺はビルの中へと入ってみた。
そしてエレベーターをみて愕然として。
この平成の世にあって、大正から昭和初期にかけて作られた、手動で扉を開けるタイプの物だった。
本当に、ここは現世なのか…
若干頭がパニック状態になっていると、エレベーターが1階へと降りてきた。
俺は、好奇心からエレベーターの扉を開け乗り込んでみた。
上へ上へとエレベータが動き出す。
意識が遠のいて行くような感覚が襲ってくる…
時間の感覚がなくなる。
エレベーターが止まった。
俺は、エレベーターを降り廊下へと足を進めた。
そこは、薄暗くまるであなぐらのような通路。
現世のビルでは、ありえないような古い造り。
古い消火器…
これは…やっちまった…
どうやら俺は、80年以上昔にタイムスリップしてしまったようだ…
このままじゃヤバい…
テンパった俺は、慌てて階段を降りた。
しかし降りれども降りれども出口は見当たらな…
姿、形、雰囲気を変えるビル…
途中階段の小窓を覗く。
しかしそこは、外では無くまた別のビル…
どういう事だ…
時空が歪んでいるのか…
まるで迷路だ…
このままじゃ…俺は一生ここから出れなくなっちまう。
なんだってこんな事になっちまったんだ…
冷静になれ冷静に…
確かエレベーターに乗った時に、時空の歪みを感じたんだった…
そうかエレベーターがタイムスリップの装置なのか!
俺は、エレベーターに飛び乗った…
1階を押す
意識が…薄れていく…
気が付くとエレベーターは止まっていた。
どれ位気を失っていたのだろうか…
恐る恐るエレベーターを降りると其処には出口が…
やった…現世に戻れたようだ。
俺は、急いでビルの外へと飛び出した。