武士と罪人の眠る街/南柏「今谷刑場跡・首塚、胴塚 (酒井根合戦場跡 」
南柏「今谷刑場跡・首塚、胴塚」
全国津々浦々に、存在する刑場跡や首塚、胴塚。
東京だと鼠小僧次郎吉が処刑されたと説がある「小塚原刑場」と「鈴ヶ森刑場跡」や平将門の首塚など有名な場所がある。
しかし、南柏には、人知れずひっそりと残された刑場跡や首塚、胴塚が存在する。
閑静な住宅街に眠る武士と罪人の魂…
地域住民の間では、怪奇現象がおこると言い伝えられている地…
良く晴れた日の事だった。
俺は、仕事で、南柏の地を回っていた。
閑静な住宅街の裏道に入った瞬間、全身に悪寒が走った…
嫌な予感がするなと、突き当りの左側を覗く…
お墓…
お墓ごときで寒気とか俺も小心者だな…
自分に言い聞かせる
しかし、寒気が取れない…むしろ悪寒が増す…
視線を壁側にやると悪寒の正体が…
今谷刑場跡と書かれた石碑とお地蔵様…
どうやらここは、江戸末期から明治初期にかけて罪人の首が切られ処刑されていた敷地…
そして、その魂を鎮め供養するお地蔵様…
足元から悲しき罪人たちの叫びが聞こえてくる…
俺は、怖くなりお地蔵様に手を合わせ、逃げるようにこの場から去った。
全身を襲う恐怖…右へ左へあてもなく走り抜けてゆく…
10分程走っただろうか…
疲れ歩道で、膝に手をつき立ち止まる…
その視線の先には…
首塚…胴塚だと…
まるで、罪人の魂達に引き寄せられた気分だな…
罪人の次は…武士の魂か…
一見なんの変哲も無い街だが、たくさんの死者の魂が眠っているのだな…
俺は意を決して矢印の方へと進んで行った…
立ち並ぶマンション群の中に不自然に残された森と丘が見えてきた。
丘の前に建て掛けれた看板
左下の図を見てみる。
2基の丘が建ち並んでおり片方が首塚で、もう片方が胴塚になっているようだ。
森の中へ吸い込まれていく。
右側の塚からも
左側の塚からも、志半ば戦に敗れ散っていった者達の魂の叫びが聞こえてくる。
無念…
そして、子供達の声…
何も知らない子供達にとっては、鬼ごっこなどする格好の遊び場のようだ…
俺は、手を合わせこの場を後にした…
血塗られた町南柏。
住宅街のど真ん中に残された、首塚胴塚…シュールだな…