芝浦花街跡地にある芸子見番跡「旧協働会館」
芝浦花街跡地 芸子見番跡「旧協働会館」
花街…
芸妓屋、遊女屋が集まっている区域を指す名称
都内にはそんな花街と呼ばれた場所の跡地が無数存在する…
あれは仕事で、港区の芝浦へ行った時の事だった…
仕事も終わり東京モノレールを眺め、俺は黄昏ていた…
視界に写り込む料亭牡丹…
腹も減ったし何か食っていくか…
俺は、一人五朗さん状態にトランスし街を彷徨った…
すると…
い奈本と書かれた小料理屋が視界に入ってきた…
今日はココで、孤独のグルメと洒落込もうかと思った時だった…
フェンス越しに感じる違和感…
視界を左側へと向けると何やら重厚で黴臭い…いや…古臭い建物が見えた…
あれは…いったいなんだ……!?
飯を食べるのを止め、俺は小走りで建物へと近づいた…
補修作業が行われているのか…経年の劣化から崩壊を防いでいるのか…足場で囲まれネットが張られている謎の建物…
千と千尋の建物のような雰囲気…
高鳴る鼓動…
夕暮れ…
シンク…
if…もしも…これは一体…what!?
正面へと回る…
重厚な入り口…
まるでタイムスリップしたかのような光景…
フェンスに掛っていた建築計画から情報を集める…
「港区指定有形文化財旧協働会館保存整備工事」と書かれている…
旧協働会館…
視線を横の掲示板へと移す…
何やら色々書かれている…
熟読…
そして俺は呟いた…
「OKグーグル…協働会館…」
そこに書かれていた文献によると…
昭和11年に、芝浦花柳界の見番として建てられた建物。
見番とは、三業組合事務所。
「置屋」「料亭」「待合」からなる「三業」を取りまとめ、芸者の取次ぎや遊興費の清算をする施設。
しかし第二次世界大戦が勃発し花柳界が疎開。
戦後になり、集会の場や港湾労働者の宿泊所「協働会館」として使用されていたが平成12年に閉鎖
その後、歴史的建造物という事もあり壊されずに放置されたまま現在に至る。
なるほど…
この辺りは昔花街だったのか…
ノスタルジー…
何だろう…何故か興奮に似た高揚感が押し寄せる…
それにしても経年劣化が酷いな…
早く保存整備工事が進んで綺麗な状態になるといいな…
そうしたら中に入れるのだろうか…見てみたいな…
花街…色街…妖艶な雰囲気を感じながら…昔のイメージを勝手に懐かしみつつ料亭と洒落込むかな…
ああ花街…花街や…色街や…