小伝馬町 /油かけ大黒天が都内で唯一祀られている身延別院
小伝馬町の身延別院にある油掛大黒
油掛大黒天…
それは…
読んで字の如く…
油を掛けて祈願する珍しい神仏像…
なぜ油をかけるようになったかは、
商人が路端の大黒天像に誤って油を掛けてしまっが罰が当たるどころか、その後福が舞い込だ…説や
油売り商人が、売り上げの一部で大黒様に供物を求めていたが、ある日、売上が無くお供えを用意できず、お供え代わりに売り物の油を注いだ所、翌日から商売が繁盛した…説
など諸説あるが…
神道や仏教の教義に基づくものではなく、伝聞を基に人々の間で生まれ伝承されてきたと考えられている…
そんな油掛大黒天は日本津々浦々に存在する…
ある日の朝…
小伝馬町にて徹夜で仕事を終え…
ふらふらになりながら帰路を目指していた時の事…
視界に入りこんだ寺…
身延別院…
なんだか良き雰囲気の寺だな…
俺は何か誘われ…
寺の中へと踏み込んだ…
中へと入ると本堂の脇に…
小さな祠…
祠の扉は開き…
まるで暗いあなぐらが…ぽっかりと口を開けている…
あなぐらのような雰囲気に惹かれ…
祠へと近づく…
そこに鎮座していらっしゃったのは…
大黒天様…
しかし何やら妙だ…
良く見ると…
ステンレスの壁で囲まれ…
ベトベトとした感じの液体にまみれている…
なんだこれ…
どういう事だ…
ふと脇に視線をよせる…
大黒天の由来が書かれた看板…
そこには…
油かけ大黒天と書かれている…
油かけだと…
あのベトベトとした液体は油なのか…
なんでも大黒天に油をかけ掛けて祈願する風習があるようだ…
まじか…
風習に倣い油をかける…
笑顔で油をうけるふくよかな大黒天様に…
俺は…おもわず…油谷さんを思い出した…
火気厳禁…
極楽とんぼ…