立ち食いそば「弥生軒」のから揚げ単品というシュールな食い物…
我孫子駅構内にある立ち食いそば屋「弥生軒」
からあげ…
それは男達の浪漫…
ちびっこの一番好きなオカズ不動の一位(Anabolic調べ)…
目の間に差し出された唐揚げ…
それを食べない人間など存在しない…
唐揚げの前には全てが無力…
かの有名な哲学者の…
「すべての人間は生まれながらにして唐揚げを欲す」…
まさに世の理…
ある日の事…
ふらっと降りた我孫子駅…
ホームへと出ると…
濃厚な唐揚げの匂いが鼻の奥を刺激た…
匂いの先には…
1軒の立ち食いそば屋…
匂いに誘われるがまま…
店内に入る…
そこには…
美味そうな唐揚げ蕎麦の写真…
巨大な唐揚げが2つ…
蕎麦を埋め尽くしている…
誇り高き崇高な唐揚げのビジュアルが胃を刺激する…
食わずにはいられない…
食欲が胃の奥から押しあげる…
ふらふらと…
食券機の前に…
唐揚げ蕎麦540円…
俺の所持金…
550円…
ここでこれを食ったら最後…
地元には戻れない…
食ったら地獄…
いや…
唐揚げが食えるなら天国…
ままよ…
地獄の片道切符…
いざまいらん…
と食券を買う瞬間…
唐揚げ単品140円の文字が視界に…
唐揚げだけ買えるのか…
俺は…
唐揚げ単品の食券を購入し…
恐る恐る店員へ渡した…
次の瞬間…
俺は驚愕した…
「唐揚げ単品お待ち〜」の声と共に…
目の前に置かれたのは…
丼の中で汁に浸った唐揚げだった…
これが…
唐揚げ単品…
なんとシュールで神々しい唐揚げなのだろう…
王の食事…
俺は…
震える手で唐揚げを箸で持ち上げ口の中へ放り込んだ…
溢れ出す肉汁と衣が吸い込んだ汁と衣の油のハーモニー…
口の中で肉汁と油と汁の旨味がぶつかり合い弾けて混ざった…
「うまい…」
あまりの美味さに感動し自然と涙があふれ出してくる…
これで140円…
神…
気がつけば…
もう一個唐揚げを頼んでいた…
まだギリ帰れそうだ…