立ち食いそば「弥生軒」のから揚げ単品というシュールな食い物。

我孫子駅構内にある立ち食いそば屋「弥生軒」
からあげ。
それは男達の浪漫。
ちびっこの一番好きなオカズ不動の一位(オレ調べ)。
そこに唐揚げあるのに食べない人間など存在しない。
唐揚げの前には全ての事が無力だ。
かの有名な哲学者の言葉「すべての人間は生まれながらにして唐揚げを欲す」とは世の理。
ある日の事、俺は唐揚げが食べたくて旅をしていた。
ふらっと我孫子駅で、ホームへと降りると、濃厚な唐揚げの匂いが鼻の奥を刺激た。
匂いの先には、1軒の立ち食いそば屋があった。
匂いに誘われて店内に入ると、美味そうな唐揚げ蕎麦の写真。
巨大な唐揚げが2つ…蕎麦を埋め尽くしてやがる…
この誇り高き唐揚げのビジュアルは胃を刺激する。
食わずにはいられない。
食欲が胃の奥から押しあがってくる。
いざ食券を!
唐揚げ蕎麦540円!
とその時だった…あっやべ俺550円しか持ってねーぞ…
ここでこれを食っちまったら地元に戻れない…
どーする食ったら地獄…いやあの唐揚げが食えるなら天国か…
ええいままよ…地獄の片道切符へレッツゴー!
と食券を買う瞬間だった。
唐揚げ単品140円の文字が視界に映り込む!
もしや唐揚げだけ買えるのか…!?
これなら地元にも帰れるぞ。
俺は、唐揚げ単品の食券を購入し恐る恐る店員のオバちゃんへ渡した。
次の瞬間、俺は驚愕した。
「唐揚げ単品お待ち〜」の声と共に目の前に置かれたのは、丼の中で汁に浸った唐揚げだった。
これが、唐揚げ単品か…なんとシュールで神々しい唐揚げなのだ。
これぞ王様の食べ物。
俺は、震える手で唐揚げを箸で持ち上げ口の中へ放り込んだ。
溢れ出す肉汁と衣が吸い込んだ汁と衣の油のハーモニー。
口の中で肉汁と油と汁の旨味がぶつかり合い弾けて混ざった。
「うまい…」
俺は、あまりの美味さに感動し自然と涙があふれ出してきた。
これで140円…コスパ良すぎ…神。
気がつくと俺は、もう一個唐揚げを頼んでいた。
まだギリ帰れそうだ。