江東区 明治30年創業「みの家 本店」 良質な馬肉の鍋を喰らう
明治30年創業「みの家 本店」
桜鍋。
明治初期頃からある馬肉を使った東京の伝統料理。
馬肉。
それは、鶏、豚、牛にも劣らない最高の肉。
ある晴れた日、俺は森下にいた。
凄く腹が減っていた。
森下…初めて来たこの街で、何を食べよう…
しかし、店を探し始めて数分で、俺は出会ってしまった。
馬豚鍋の文字…
古く燻され伝統を感じる店構え。
老舗感満載の昭和建築…
渋い看板。
この雰囲気…間違いないはずだ…
こんだけ、御大層な店構えで不味いはずがない…
店の中へ入る。
そこはまるで、千と千尋のような世界感。
天井は高く風通し良く、下足番が出迎えてくれて履物を預かってくれた。
縄のれんをくぐり奥へと行くと、70名は入るであろう籐敷きの座敷に、ステンレスの長机が手前に2列、奥に2列並んでおり幻想的だ。
明治浪漫とでもいうのだろうか、俺はその雰囲気に心奪われた。
ステンレスの長机には、コンロが直接設置されている。
見慣れぬシステムに、心がウキウキウォッチングしている。
メニューに目を通す。
馬肉の鍋か…
俺は、ワインと鍋を注文した。
ほどなくして、赤ワインと小さ目のグラスが運ばれてきた。
これまた店の雰囲気にあっていて素敵だ。
店の雰囲気を肴にワインを楽しんでいると、桜鍋が運ばれてきた。
こっこれは…
フォト…フォトジェニック…
馬肉の色が桜色な事から桜肉と呼ばれているようだが、これは本当に桜のようだ。
もはや、鍋の花見だ。
火をつけ、肉が煮込まれていく姿が、食欲をそそる。
これまた酒が進む。
俺は、ワインをおかわりした。
ワインが運ばれてきた頃には食べごろに煮込まれたので、卵にくぐらせ馬肉を喰らう。
美味い…
そしてワインに合うな…
最高…
俺は、瞳をとじ明治浪漫に浸り白昼夢を楽しんだ。